TBS、テレビ60周年特別企画、日曜劇場 天皇の料理番が素晴らしい。
篤蔵さんが人生の岐路、選択に迷ったとき、兄の周太郎さんの言葉に魂がにっこりと微笑んだ。
私たちも、選択に迷ったとき、自分の奥深くから出した答えを、迷う前から、決まっていた選択と感じるだろう。
また、子供たちや若者の行動を、ひとくくりにして、押さえつけたり、行動を制限してはいないでしょうか。失敗というものは、いずれ失敗でなくなる、となれば、やりたい事をやってみる、やらせてあげる。というのがいいのかもしれませんね。
(有料動画配信、Tverの再放送、等で観てほしい)
今回のお勧めの放送は第三話、です。
兄、周太郎が、弟の篤蔵に語った言葉とは
『雲さん、猫さん、もおう、いいでしょ』
『静まれい!しずまれい!この紋どころが目に入らぬか!』と言うことで早速
ドラマで語られた兄、周太郎の言葉。
『こういう事に、正解は無いんだ。』
『何が正解だったかは、遠い先、結果が出るまで分からない。』
『となれば、お前が、自分で、これならば、後悔しないと言う、結論を出すしかないだろう』
この言葉に、私の魂が、微笑んで、反応した。悩む必要なんてないよね。
何を選択しても同じ結果。修正され、大きな差は無く、決まったそこに辿り着く、となれば、悩むことが無駄。
(余談です) 私たちは、生まれる前から、そう選択する様に、シナリオを持って、決めて、
生まれて来ています。【って、誰かが言ってました。】
人生に正解という道はない。辿り着いた所から振りかえつて見れば、あの時の選択で今がある。
私たちは、この無駄に悩むことを楽しむために人生をやってるのかもしれませんね。
多くの人の中には、潜在的にそう感じて、ピンチや、悩みを、スピリチュアル的に、深い所では、分かっていて、楽しんでいる人もいるのでは。
このドラマの篤蔵さんの人生を観ていると、特にそう感じさせてもらえます。
進む方向性が間違っていれば、失敗と自身の違和感で、元の位置まで戻される。
進む方向が間違っていなければ、周りに助けられ、本来の力が自然と発揮できたりする。
でも、後で振り返れば全てのお陰で今があることに気づく。無駄なものは無かったと。
導かれて成長していく人生ドラマって素晴らしい。面白い。!
天皇の料理番 の概要を簡単に。
天皇の料理番 は、実在の人物、福井県出身の秋山徳蔵さんをモデルに杉森久英先生が小説として描かれ、ドラマ化されました。素晴らしい人生ドラマです。
ドラマでは佐藤健さんが秋山篤蔵として演じています。
青年期の独特な自由な生き方、型破りな性格が面白く描かれている。見方によれば、飽き性で役立たずの、親不孝な出来の悪い次男坊。そんな篤蔵が料理人を志し、真心(まごころ)をキーワードに西洋料理のシェフとなり、天皇の料理番を務めるに至る。
福井の田舎の裕福な庄屋の次男として生まれた篤蔵は子供の頃から村の評判も悪く、気が短く、飽き性で、多くに興味を持つが、長続きせずに将来も危ぶまれて親を困らせていた。兄や弟は出来が良く、兄は法律家を目指した。篤蔵はお寺の坊主を目指すも、いたずらと酒が過ぎ追い出されてしまう。
困り果てた、父親が婿養子として商家との話をまとめてきた。
その婿養子先で、運命の人、俊子さんと夫婦となる。
最初は、養子先の商いに取りくむが、飽き性の篤蔵は商い先で、出会った洋食に興味を持つ。
そして、養子先の商いをさぼり、洋食の調理を習い始める。その事が義父にばれ、養子先を飛び出す。
そして上京し、東京で法律の勉強をする兄の周太郎さんに会う。
兄の周太郎さんは、最初は、篤蔵のいつもの悪い癖、料理人に成りたいと言うのも長くは続かないと思い実家にも、そのように手紙を出す。しかし、兄の周太郎さんは、時がたつにつれ、今回の篤蔵は、今までとは少し様子が違う事に気づき始める。そして、大学の教授に相談、篤蔵さんの就職先を紹介してもらった。
ここから、篤蔵さんの洋食料理のシェフへの道、小僧、としての修行が始まる。
ドラマでは、笑える場面も、あちこちに、盛り込んで楽しませてくれます。笑えるし、泣ける。そして、仕事に対する姿勢、取り組み方、成功の秘訣が盛り込まれている。学べます。面白い。
では、お勧めのスピリチュアルなシーンを詳細に。
篤蔵さんが華族会館で料理人の修行を開始して、仕事にも慣れ、素質が光り始めようとした頃、福井の鯖江に残してきた妻の俊子さんが篤蔵さんを訪ねて上京して来る。離縁の話を相談に来た俊子さんは、篤蔵さんの仕事の様子、篤蔵さんの手作りの料理を食べ、料理長の宇佐美さんの話を聞いた。
「見込みがある」と。
そして俊子さんは、自身が篤蔵さんの子を身ごもった事に気付く。俊子さんは、篤蔵さんの夢の邪魔をしたくないと考え、「私が一人で何とかします」と。篤蔵さんに言い残して福井へ帰って行った。
困った篤蔵さんは、兄の周太郎さんに相談する。
兄の下宿先の部屋で向かい合う兄弟。
篤蔵 ⦅俊子は、何とかすると言ってくれたんですけど⦆
篤蔵 ⦅さすがに、それではあかんと思いますし⦆
周太郎 『なぜ、あかんと思うのだ』
篤蔵 ⦅だって、わしの子なんですよ。子供までほっぽらかすって、それはさすがに⦆
周太郎 『それでは田舎に戻るのか』
篤蔵 ⦅この仕事は続けたいんです。俊子もそれは望んでないと思うんです⦆
周太郎 『では、俊子さんをこちらに呼んで、お前が養うしかないのではないか』
篤蔵 ⦅わしの給金、月、一円五十銭なんですよ⦆
周太郎 『では、どうしたいのだ』
篤蔵 ⦅それを相談してるんやないですか⦆
周太郎 『そもそも、お前は、俊子さんの事をどう考えてたんだ』
篤蔵 ⦅えっ、⦆
周太郎 『家出して来てから、迎えに行くとか、離縁もやもおえないとか、普通、考えるだろう。まさか、何一つ考えなかった訳じゃあるまい』
篤蔵 ⦅喉仏みたいな感じですかね⦆
周太郎 『喉仏?』
篤蔵 ⦅有ることは有るんですけど、気にはしないでしょ。毎日毎日、あぁ、喉仏どうしてるかなんて、考えないですよね⦆
篤蔵 ⦅しかし、その上に、おでき とかが出来れば気になりますし、ある日、突然、今日から亡くなりますって言われたら、ものすごい、戸惑うやないですか⦆
周太郎 『う~ん』
周太郎 『ではこれを機に、その喉仏と向き合ってみろ。善人面をして、俊子さんと子供のために、田舎に帰るもよし。悪人のそしりを受け、妻子を打ち捨て、自分の夢にかけるもよし』
篤蔵 ⦅ほんな言い方せんとって下さい⦆
周太郎 『こういう事に、正解は無いんだ。』
周太郎 『何が正解だったかは、遠い先、結果が出るまで分からない』
周太郎 『となれば、お前が、自分で、これならば、後悔しないと言う、結論を出すしかないだろう』
篤蔵 ⦅結論ですか⦆
この後、篤蔵さんは、料理人を続け、腕を上げ、シェフになって妻子を養う選択をするが、………
この世での篤蔵さんの役割は、単なる料理人に収まる事を許さなかった。
帝国一の料理人、天皇の料理番になり、事を成すまで。
となれば、ここでの選択を機に、色んなことが動き出し、生まれてきた意味、役割、務めに導かれていく。悩んで悩んで、結論を出すもよし、コインを投げて裏表で決めるもよし、後で振り返ればここまでに、無駄なことは何も無かったと気づく。だったら、その時その時の想いを、感情を大事に楽しむ為に人生は有るのかも知れませんね。
この後の展開で、兄の周太郎さんが病で、自身の法律家の夢を諦めかけて、篤蔵さんに宛てた手紙がまた、心、魂に沁みます。
兄の周太郎が篤蔵に宛てた手紙を紹介
兄の周太郎さんが病の療養の為、法律家の夢を道なかばで、諦め、篤蔵さんに宛てた手紙を
下記に紹介します。
『私は、人を羨んだ事は、あまり無いが、今、お前が心底、羨ましいと思う。
頑健な体をもち、夢に向かって、進んで行けるお前が羨ましい。
己の夢に向き合って、苦しめることは、とても、とても、幸せなことなのだ。
思うに任せぬことは、多々あると思うが、どうかそれを、心の隅にとどめ、
俺の分まで、精進して、夢を追いかけてほしい。………』
兄の周太郎さんが父親に頼み込み、篤蔵さんのパリ修行への費用を工面し、そのお金、参百円と
兄の周太郎さんが篤蔵さんに宛てた手紙を母が篤蔵さんに手渡す。
その手紙の一部を紹介します。
『このままでは、世を呪い続けて、あの世に行くことになろう。
けれどそれは、余りにも不幸で、なさけない。
だから、お前の夢を一緒に追いかけさせて欲しい。
この世に生まれて、職をなさず、家もなさず、何事もなし得ることなく、
終わって行く俺に、誇りを与えてほしい。
俺の弟は、帝国一のシェフになったと。
それは、俺のお陰でもあると、胸を張らせてほしい。』
人の人生において、自分の人生は、自分の努力と力によって切り開き、掴み取った結果であると
思い込み、生きている人もどこかには居るでしょう。
しかし、多くの人は、周りの人たちのお陰様、後押ししてくれた人の思いや、言葉、
まごころ、多くのお陰様、目には見えない存在や、エネルギーのお陰によって自分が事を成す
ことが出来た、生きてこられた、今の自分があると。そして無意識のうちに感謝している。
このドラマでもその様なことを感じさせられて、嬉しいです、楽しい、面白い。
篤蔵さんの人生において、兄の周太郎さんの存在は無くてはならない。
また、兄の周太郎さんの人生においても、篤蔵さんの存在は、無くてはならない。
無駄な存在は何処にも無い、何もない。
郷ひろみ さん の役どころが光ります。素晴らしい。
フランス大使館の粟野大使役の郷ひろみさんが、いい役過ぎてくやしいです。
ドラマの話ではありますが、大日本帝国も見る目ありすぎ。
心が広く、人情が篤い、日本の為にも、邦人の為にも行動する、出来る外交官を選んで、
駐仏させている。明治という時代の人材に感謝します。
そして、もう一つ、大日本帝国見る目ありすぎ。秋山篤蔵さんを天皇の料理番に選ぶなんて。
篤蔵さんが、大使館に呼ばれて天皇の料理番の任を要請される、このドラマの胆を
紹介します。(このシーンもおすすめ。笑えるし、泣ける。)
粟野大使さんが篤蔵さんを前にして、宮内庁からの書を読み上げた。
篤蔵さんは何が起こったか吞み込めずに。
篤蔵⦅もう一度、読んでもらえますか⦆
いいですよと粟野さんがもう一度読み上げた。
粟野 『宮内庁の意向としては、秋山篤蔵氏に、新帝のご即位のご大礼の料理を指揮して頂きたい。ひいては、新たに、厨司長という役職を設けるので、その後、天皇陛下の料理番として宮中にて天皇陛下にお仕えし、陛下のご健康と……』
やっと事態が理解できた篤蔵さんが発した言葉が。
篤蔵 ⦅わし、福井の平民の子で、小学校しか出てませんし、⦆
粟野 『ええ』
篤蔵 ⦅寺も破門になってますし、実家の金も、宇佐美さんのノートも盗んで、人の女房も……⦆
粟野 『二つ目からは聞かなかったことにします。』
苦笑いの粟野さんが、 いい。
結局は、天皇の料理番 が面白い。素晴らしい ってことですね。
ドラマの終盤では、篤蔵が自身の子供との向き合い方、夫婦愛の様子が描かれ、視聴者を
泣かせて、笑わせ、楽しませてくれます。
病に伏せる兄の周太郎さんを演じた鈴木亮平さんの役者魂もすごい。
病人らしく見せるために、頬がこけるまで減量するなんて。
全ての役者さんがビシッとはまり、作られています。
ですから、見どころ満載ってやつです。
そして、最終回で、篤蔵さんが大事なことを語っています。
夢が形になったのは、多くの人達のお陰様であることを。
結局は、天皇の料理番 が面白い。素晴らしい ってことですね。
【これにて、一件落着。です】